コンクリートのクリープ
クリープとは、コンクリートに力を持続的に作用させた際に、時間の経過とともにコンクリートが変形する現象です。コンクリートに荷重載荷直後、弾性ひずみが生じ、載荷を継続するとクリープひずみが時間経過とともに増大します。クリープによるひずみは荷重を作用させた初期は増大しますが、長時間経過すると定常状態となります。荷重を除去すると、弾性ひずみの分だけ回復し、その後時間経過とともに遅れ弾性回復をします。最終的に残された永久ひずみが残留ひずみとなります。
[目次]
クリープの影響因子
クリープに影響を与える因子を以下に示します。
- 水セメント比が小さいほど、クリープは小さくなる。
- 材齢に伴い強度が増進するほど、クリープは小さくなる。
- 骨材のヤング係数が小さいほど、クリープは大きくなる。
- コンクリート中の間隙水が多いほど、クリープは大きくなる。
- 温度が上昇して70~80℃程度までは、クリープが増大する。
- 温度が110℃で水分がなくなるとクリープは最小となり、それ以上温度が上昇すると再度増大する。
クリープ係数
クリープ係数とは、弾性ひずみに対するクリープひずみの比になります。クリープ係数は、コンクリートの配合、載荷時の材齢、部材の断面形状、環境温度などの影響を受けます。
\[\phi=\varepsilon_{cr}/\varepsilon_e\]\(\phi\) | :クリープ係数 |
---|---|
\(\varepsilon_{cr}\) | :クリープひずみ |
\(\varepsilon_e\) | :弾性ひずみ |