コンクリートのクリープ

クリープとは、コンクリートに力を持続的に作用させた際に、時間の経過とともにコンクリートが変形する現象です。コンクリートに荷重載荷直後、弾性ひずみが生じ、載荷を継続するとクリープひずみが時間経過とともに増大します。クリープによるひずみは荷重を作用させた初期は増大しますが、長時間経過すると定常状態となります。荷重を除去すると、弾性ひずみの分だけ回復し、その後時間経過とともに遅れ弾性回復をします。最終的に残された永久ひずみが残留ひずみとなります。

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クリープの影響因子

クリープに影響を与える因子を以下に示します。

  1. 水セメント比が小さいほど、クリープは小さくなる。
  2. 材齢に伴い強度が増進するほど、クリープは小さくなる。
  3. 骨材のヤング係数が小さいほど、クリープは大きくなる。
  4. コンクリート中の間隙水が多いほど、クリープは大きくなる。
  5. 温度が上昇して70~80℃程度までは、クリープが増大する。
  6. 温度が110℃で水分がなくなるとクリープは最小となり、それ以上温度が上昇すると再度増大する。

クリープ係数

クリープ係数とは、弾性ひずみに対するクリープひずみの比になります。クリープ係数は、コンクリートの配合、載荷時の材齢、部材の断面形状、環境温度などの影響を受けます。

\[\phi=\varepsilon_{cr}/\varepsilon_e\]
\(\phi\):クリープ係数
\(\varepsilon_{cr}\):クリープひずみ
\(\varepsilon_e\):弾性ひずみ