露出形式柱脚

露出形式柱脚は、柱脚部をコンクリートに埋め込まない形式です。意匠上、柱脚部が見えないようにするには、ボルトがスラブから出ないようベースプレートのレベルを下げる形で調整します。根巻き形式柱脚や埋込み柱脚のように柱脚部をコンクリートで厚く覆わない場合は半固定柱脚となるため、露出形式柱脚においては回転剛性を適切に評価する必要があります。
露出形式柱脚の仕様規定についてはこちらで解説しています。露出形式柱脚の仕様規定について

[目次]

応力伝達メカニズム

圧縮軸力はベースプレートから直接基礎コンクリートへ伝達され、引張軸力はベースプレートからアンカーボルトを介して基礎コンクリートに伝達されます。せん断力はベースプレートと基礎コンクリート間の摩擦で伝達するよう設計します。圧縮軸力が十分でないなど、せん断力が摩擦抵抗を超える場合はアンカーボルトの座金をベースプレートに溶接し、せん断力をアンカーボルトで負担するようにします。

破壊モード

ベースプレート、アンカーボルト、基礎コンクリートそれぞれの耐力がバランスするように設計します。

  1. コンクリート立ち上げ部縁辺の剥落
  2. コンクリート立ち上げ部の割裂
  3. コンクリート立ち上げ部のコーン状破壊
  4. アンカーボルトの降伏
  5. ベースプレートの面外変形

回転剛性

露出形式柱脚の回転剛性は以下の式で算出します。

\[K_b=\frac{E{\cdot}n_t{\cdot}A_b\left(d_t+d_c\right)^2}{2l_b}\]
\(K_b\):回転剛性\(\mathrm{[N{\cdot}mm]}\)
\(E\):アンカーボルトのヤング率\(\mathrm{[N/mm^{2}]}\)
\(n_t\):引張側アンカーボルトの本数
\(A_b\):アンカーボルト軸部の断面積\(\mathrm{[mm^{2}]}\)
\(d_t\):柱断面図心から引張側アンカーボルト群図心までの距離\(\mathrm{[mm]}\)
\(d_c\):柱断面図心から柱断面圧縮縁までの距離\(\mathrm{[mm]}\)
\(l_b\):アンカーボルトの有効長さ(ベースプレート上端から定着板までの長さ)\(\mathrm{[mm]}\)