耐火・防火の法規一覧
耐火・防火関係の法規をまとめました。一級建築士試験の法規の試験範囲です。
"法"は建築基準法、"令"は建築基準法施行令になります。
[目次]
耐火性能・準耐火性能
耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間、当該火災による建築物の倒壊と延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能である。
準耐火性能とは、通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能である。
耐火構造 法第2条第七号
壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
準耐火構造 法第2条第七号の二
壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能(通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。第九号の三ロにおいて同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
防火性能・準防火性能
防火性能とは、建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために外壁や軒裏に必要とされる性能である。
準防火性能とは、建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要される性能である。
防火構造 法第2条第八号
建築物の外壁又は軒裏の構造のうち、防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄網モルタル塗、しつくい塗その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
準防火構造 法第23条
前条第1項の市街地の区域内にある建築物(その主要構造部の第21条第1項の政令で定める部分が木材、プラスチックその他の可燃材料で造られたもの(第25条及び第62条第2項において「木造建築物等」という。)に限る。)は、その外壁で延焼のおそれのある部分の構造を、準防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する土塗壁その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
遮炎性能・準遮炎性能
遮炎性能とは、通常の火災時における火災を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能である。通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものをいう。
準遮炎性能とは、建築物の周囲において発生する通常の火災時における火災を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能である。建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る)に火炎を出さないものをいう。
遮炎性能 法第2条第九号の二のロ
その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火災を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第27条第1項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。
遮炎性能 令第109条の2
法第2条第九号の二ロの政令で定める技術的基準は、防火設備に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面に火災をださないものであることとする。
準遮炎性能 法第64条
防火地域又は準防火地域内にある建築物は、その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が準遮炎性能(建築物の周囲において発生する通常の火災時における火災を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を設けなければならない。
準遮炎性能 令第136条の2の3
法第64条の政令で定める技術的基準は、防火設備に建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)に火炎を出さないものであることとする。
不燃材料・準不燃材料・難燃材料
不燃性能とは、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間以下の1~3を満たすものである。
準不燃性能とは、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後10分間以下の1~3を満たすものである。
難燃性能とは、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後5分間の1~3を満たすものである。
1. 燃焼しないものであること。
2. 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
3. 避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。
ただし、外部の仕上げに関しては、1と2だけ満たせばよい。
不燃材料 法第2条第九号
建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
不燃材料 令第108条の2
法第2条第九号の政令で定める性能及びその技術的基準は、建築材料に、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間次の各号(建築物に外部の仕上げに用いるものにあつては、第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしていることとする。
- 燃焼しないものであること。
- 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
- 避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。
準不燃材料 令第1条第五号
建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後10分間第108条の2各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあつては、同条第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
難燃材料 令第1条第六号
建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後5分間第108条の2各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあつては、同条第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
耐火建築物・準耐火建築物
耐火建築物 法第2条第九号の二
次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
- その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
- 耐火構造であること。
- 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては、(ⅰ)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
- 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
- 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
- その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火災を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第27条第1項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。
準耐火建築物 法第2条第九号の三
耐火建築物以外の建築物で、イ又はロのいずれかに該当し、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に前号ロに規定する防火設備を有するものをいう。
- 主要構造部を準耐火構造としたもの
- イに掲げる建築物以外の建築物であつて、イに掲げるものと同等の準耐火性能を有するものとして主要構造部の防火の措置その他の事項について政令で定める技術的基準に適合するもの
特定防火設備
特定防火設備とは、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後1時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものをいいます。
特定防火設備 令第112条1項
主要構造部を耐火構造とした建築物又は法第2条第九号の三イ若しくはロのいずれかに該当する建築物で、延べ面積(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の1/2に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)が1500㎡を超えるものは、床面積の合計(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の1/2に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)1500㎡以内ごとに1時間準耐火基準(第129条の2の3第1項第一号ロに掲げる基準(主要構造部である壁、柱、床、はり及び屋根の軒裏の構造が同号ロに規定する構造方法を用いるもの又は同号ロの規定による認定を受けたものであることに係る部分に限る。)をいう。以下同じ。)に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備(第109条に規定する防火設備であつて、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後1時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。以下同じ。)で区画しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分でその用途上やむを得ない場合においては、この限りでない。