コンクリート型枠の存置期間

基礎、梁側、柱および壁のせき板の存置期間は、コンクリート圧縮強度で定める方法と、コンクリート材齢で定める方法があります。
型枠の取外しについてはこちらで解説しています。型枠の取外しについて
支柱の盛替えについてはこちらで解説しています。支柱の盛替えについて

[目次]

コンクリート圧縮強度で型枠存置期間を定める方法

せき板の存置期間は、計画供用期間の級によってコンクリート圧縮強度で定めることができます。せき板取外し後、湿潤養生を継続するかしないかによって、基準となるコンクリート圧縮強度が異なります。
湿潤養生についてはこちらで解説しています。湿潤養生について

せき板の存置期間を定めるためのコンクリート圧縮強度 [N/㎟](JASS5)

計画供用期間の級短期
標準
長期
超長期
湿潤養生を継続する場合5以上10以上
湿潤養生を継続しない場合10以上15以上

コンクリート材齢で型枠存置期間を定める方法

計画供用期間の級が短期や標準で、せき板存置期間中の平均気温が10℃以上の場合、コンクリート材齢が以下の表の日数以上経過すれば、圧縮強度試験をすることなく、せき板を取り除くことができます。せき板取外し後は湿潤養生を継続する必要があります。
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せき板の存置期間を定めるためのコンクリート材齢 [日](JASS5)

平均気温早強ポルトランドセメント普通ポルトランドセメント
高炉セメントA種
シリカセメントA種
フライアッシュセメントA種
高炉セメントB種
シリカセメントB種
フライアッシュセメントB種
20℃以上245
20℃未満10℃以上368

型わく及び支柱の取り外しに関する基準

現場打コンクリートの型わく及び支柱の取り外しに関する基準

昭和46年建設省告示第110号、改正:昭和63年建設省告示第1655号

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第76条第2項の規定に基づき、現場打コンクリートの型わく及び支柱の取り外しに関する基準を次のように定める。

第1 せき板及び支柱の存置期間は、建築物の部分、セメントの種類及び荷重の状態並びに気温又は養生温度に応じて、次の各号に定めるところによらなければならない。

  1. せき板は、別表(ろ)欄に掲げる存置日数以上経過するまで又はコンクリートの強度が同表(は)欄に掲げるコンクリートの圧縮強度以上になるまで取り外さないこと。
  2. 支柱は、別表(ろ)欄に掲げる存置日数以上経過するまで取り外さないこと。ただし、コンクリートの強度が、圧縮強度試験の結果、別表(は)欄に掲げるコンクリートの圧縮強度以上又は1平方センチメートルにつき120キログラム(軽量骨材を使用する場合においては、90キログラム)以上であり、かつ、施工中の荷重及び外力によつて著しい変形又は亀裂が生じないことが構造計算により確かめられた場合においては、この限りでない。

別表

(い)(ろ)(は)
区分部分セメントの種類存置日数コンクリート圧縮強度
存置期間中の平均気温
摂氏15℃以上摂氏15℃未満
摂氏 5℃以上
摂氏 5℃未満
せき板基礎、梁側、柱、壁早強ポルトランドセメント2351㎠につき50kg
普通ポルトランドセメント、高炉セメントA種、フライアッシュセメントA種、シリカセメントA種358
高炉セメントB種、フライアッシュセメントB種、シリカセメントB種5710
版下、梁下早強ポルトランドセメント4610コンクリートの設計基準強度の50%
普通ポルトランドセメント、高炉セメントA種、フライアッシュセメントA種、シリカセメントA種61016
高炉セメントB種、フライアッシュセメントB種、シリカセメントB種81218
支柱版下早強ポルトランドセメント81215コンクリートの設計基準強度の85%
普通ポルトランドセメント、高炉セメントA種、フライアッシュセメントA種、シリカセメントA種172528
高炉セメントB種、フライアッシュセメントB種、シリカセメントB種282828
梁下早強ポルトランドセメント28コンクリートの設計基準強度の100%
普通ポルトランドセメント、高炉セメントA種、フライアッシュセメントA種、シリカセメントA種
高炉セメントB種、フライアッシュセメントB種、シリカセメントB種