高力ボルト接合
高力ボルト接合は、鉄骨造の接合部に採用される接合法です。一般に使用されている高力ボルトの引張強さは1000N/㎟程度であり、柱や梁などに使用される鋼材の約2倍の強さを持っています。高力ボルトを締め付ける際に導入された所定の軸力(初期導入張力)により被接合材(母材や添板など)の間に作用する大きな材間圧縮力が力の伝達の源になります。ボルトによる接合には、摩擦接合と引張接合があります。
高力ボルトの種類についてはこちらで解説しています。高力ボルトの種類について
[目次]
摩擦接合
高力ボルト摩擦接合は、梁継手や柱継手、ブレース接合部などに採用されます。高力ボルトの締付け力によって生じる部材間の摩擦力によって、ボルト軸と直角方向の応力を伝達します。作用応力が摩擦耐力を超えるまでは、接合部の剛性が高く、繰返し荷重に対する疲労強度も大きいというメリットがあります。
引張接合
高力ボルト引張接合は、柱梁接合部に用いられるスプリットティ接合やエンドプレート接合、鋼管をつなぎ合わせるフランジ継手などに採用されます。高力ボルトの締付け力によって生じる部材間の圧縮力によって、ボルト軸と同方向の応力を伝達します。作用応力が離間耐力を超えるまでは、ボルト軸力の変動は微小であるため、接合部の剛性は高いです。