高力ボルトの種類
建築で一般に使用されている高力ボルトには、摩擦接合用高力六角ボルト、構造用トルシア形高力ボルト、溶融亜鉛めっき高力ボルトの3種類あります。
高力ボルトの接合のメカニズムについてはこちらで解説しています。高力ボルトのメカニズムについて
[目次]
摩擦接合用高力六角ボルト
高力ボルトにはF8TとF10Tがあります。構造的にF10Tの方が有利になることが多いため、通常はF10Tを使用します。FはFriction(摩擦)の頭文字を取っています。ボルト呼び径は、M12、M16、M20、M22、M24、M27、M30の7種類あります。
構造用トルシア形高力ボルト
現在、建築物に使用されている高力ボルトの90%以上が構造用トルシア形高力ボルトです。トルシア形高力ボルトは、ナットを締めた際に一定のトルクが加わるとピンテールが破断するようにできており、締められたボルトが必要なトルクを加えられたか確認することが容易です。S10Tのみがあり、ボルト強度はF10T高力ボルトに相当します。SはStructure(構造)の頭文字を取っています。ボルト呼び径は、M16、M20、M22、M24、M27、M30の6種類あります。M12はありません。
溶融亜鉛めっき高力ボルト
屋外で使用されるボルトなど錆対策が必要な箇所においては、溶融亜鉛めっき高力ボルトを採用します。F10T高力ボルトは、焼戻し温度がめっき浴槽温度よりも低く、めっき後に強度を保つのが難しいため、溶融亜鉛めっき高力ボルトにはF8Tのみが使用されます。実設計でF8Tを使用するのは基本的に溶融亜鉛めっき高力ボルトのため、仕事上、溶融亜鉛めっき高力ボルトのことをF8Tと呼ぶことが多いです。ボルト呼び径は、M16、M20、M22、M24の4種類あります。