鉄筋コンクリート造(RC造)の規定
鉄筋コンクリート造(RC造)の規定では、各部材ごとに仕様規定が定められています。
関連法規:令第77条、77条の2、78条、78条の2、79条
[目次]
柱の構造
柱には、以下の仕様規定があります。
1. 主筋は、4本以上とすること。
2. 主筋は、帯筋と緊桔すること。
3. 帯筋の径は6mm以上とし、間隔は150mm以下かつ最も細い主筋の径の15倍以下とすること。
また、柱に接する横架材から柱の小径の2倍以内の距離にある部分では、100mm以下かつ最も細い主筋の径の15倍以下とすること。
4. 帯筋比は、0.2%以上とすること。
5. 柱の小径は、支点間距離の15分の1以上とすること。
6. 主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の0.8%以上とすること。
床版の構造
床版には、以下の仕様規定があります。
1. 厚さは80mm以上かつ、短辺方向における有効張間長さの40分の1以上とすること。
2. 最大曲げモーメントを受ける箇所における引張鉄筋の間隔は、短辺方向で200mm以下、長辺方向で300mm以下でかつ、床版厚さの3倍以下とすること。
梁の構造
梁には、以下の仕様規定があります。
1. 構造耐力上主要な梁は、複筋梁とし、肋筋の間隔を梁成の4分の3以下とすること。
圧縮鉄筋は、クリープたわみの抑制や地震時に対する靭性確保に効果的なので、複配筋とするよう規定されています。
肋筋は、せん断ひび割れ後の靭性確保や主筋座屈防止のため間隔が規定されています。
耐力壁の構造
耐力壁には以下の仕様規定があります。
耐力壁のRC規準での構造規定についてはこちらで解説しています。RC規準での構造規定
1. 厚さは、120mm以上とすること。
2. 開口部周囲に径12mm以上の補強筋を配置すること。
3. 径9mm以上の鉄筋を縦横に300mm以下の間隔で配置すること。複配筋とする場合は、450mm以下とすること。
鉄筋のかぶり厚さ
鉄筋の最小かぶり厚さは以下の表の値以上とするよう規定されています。
かぶり厚さ [mm]
箇所 | 部位 | 最小かぶり厚さ | 設計かぶり厚さ |
---|---|---|---|
土に接しない部分 | 壁・床・屋根 | 20 | 30 |
耐力壁・柱・梁 | 30 | 40 | |
土に接する部分 | 柱・梁・壁・床・布基礎の立上り | 40 | 50 |
基礎 | 60 | 70 |
鉄筋のかぶり厚は、主に建築の耐久性と鉄筋の付着性能の観点から重要です。
耐久性・・・大気中の二酸化炭素の作用によりコンクリートの中性化が進行し、鉄筋位置まで到達すると、鉄筋の腐食による体積膨張作用によりコンクリートに鉄筋に沿ったひび割れが発生します。これにより、コンクリート剥落の危険性や、鉄筋断面の減少による構造性能の低下につながります。
付着性能・・・鉄筋のかぶり厚が小さいと、鉄筋に大きな力が作用した際に鉄筋に沿ってコンクリートのひび割れが発生する付着割裂が生じやすくなります。
最小かぶり厚を確保することが重要なので、施工精度や接合部での配筋の納まり、仕上げ材の割付けを考慮して、設計かぶり厚は最小かぶり厚+10mm以上とするのが一般的です。
かぶり厚さについてはこちらで解説しています。かぶり厚さについて
設計ルート
ルート | 一次設計 | 二次設計 |
---|---|---|
ルート1 | 長短期の応力度等の計算(令第82条各号) 屋根ふき材等の計算(令第82条の4) | 平19国交告第593号 |
ルート2 (許容応力度等計算) | 層間変形角の計算(令第82条の2) 剛性率・偏心率等の計算(令第82条の6第二号、第三号) |
|
ルート3 (保有水平耐力計算) | 層間変形角の計算(令第82条の2) 保有水平耐力の計算(令第82条の3) |