安定性・静定性・不静定次数

構造の部材に対する拘束の数によって、構造の安定性・静定性が決まります。

[目次]

安定・不安定

力が作用すると、構造の形が崩れるか、構造全体が移動するものを不安定構造といいます。構造全体が移動する場合を外的不安定といい、構造の形が崩れる場合を内的不安定といいます。力が作用しても微小な変形で静止し、崩れたり移動したりしないものを安定構造といいます。

静定・不静定

剛節点をつり合い条件のみで反力と部材応力が求められるものを静定構造といいます。静定構造において、部材を1つ取り除く、剛節点を1つピン節点にするなどすると、不安定構造となります。
拘束の数が安定であるための最小限度より多いものを不静定構造といいます。不静定構造の反力や部材応力を求めるには、つり合い条件に加えて、部材の変形や構造の変位についての条件も必要になります。

不静定次数による判別式

構造物の安定性と静定性は、不静定次数を算出することで判別します。不静定構造において、不静定次数\(m\)が大きいほど拘束の冗長性が高く、安全性が高いといえます。

\[m=\left(n+s+r\right)-2k\]
\(m>0\):安定、不静定
\(m=0\):安定、静定
\(m<0\):不安定
\(m\):不静定次数
\(n\):反力数(支点反力の総和)
\(s\):部材数
\(r\):剛接合部材数(各節点に集まる部材のうち、剛接された部材の数から1引いた値)
\(k\):節点数(節点、支点、自由端の総和)